県町村・特別区の住民を登録公証し各種行政事務に利用する制度であるが、この制度は明治十九年内務省令をもって、戸籍に人口動態を記載することになった時に始まっている。大正二年には戸籍法が改正になり、寄留法が制定されて居住の実態が把握されるようになり戸籍は身分関係を、寄留は居住関係を公証することになった。
昭和二十六年六月住民登録法が公布され、市町村備付の住民票に住民一人ずつの住所・氏名・生年月日・世帯主との続柄・本籍などを世帯毎に登録することになり、住民票は住民の居住関係を示す唯一の公簿で、住民の日常生活に利便を図り、常に人口状況を明らかにし、選挙名簿・学令簿・国民健康保険・予防接種などの帳簿作成の資料となっている。
昭和四十二年七月、住民基本台帳法が公布されたが、その目的に「住民に関する記録を正確且つ統一的に行うために……」とあり、従来の住民登録法をより合理的に改善したものと言えよう。