わが村の現況

609 ~ 621
地域住民の健康を守るうえでの、不可決の制度として定着した国保制度も発足以来四十年を迎え、この制度に寄せる期待も大きいものがあり、今日においてはなくてはならない制度となっている。
 しかし、財政面をみるとき、全国的に赤字寸前でパンク状態の危機にあると言われている。その要因の一つは、昭和三十五年の皆保険達成のあと、世帯主七割給付、引続き世帯員の七割給付、四十八年一月から発足した老人医療支給制度、又は四十八年十月から高額療養費支給制度による国保の負担増である。
 医療費が無料化となれば、誰もが医者にかかり易くなり、受診率が増加することにより必然的に医療費が増大するということになる。老人医療の国保に占める割合は福祉政策の充実により年々増高の傾向にある。
 本村の場合を見てみると、老人医療の国保に占める割合は、医療費において昭和五十一年度三二・五%、昭和五十二年度二九・八%であり、県平均(五十一年度二四・四%)を大きく上回っている。一方、被保険者数では、昭和五十一年度八・九%、昭和五十二年度九・七%となっており県平均(五十一年度七・四%)を上回り、栃木県の十年後の状況が現在の本村の現況である。
 以上により、昭和五十二年度においては四三一人の老人で総医療費の三分の一を占めていることとなり、いかに老人医療費の国保財政に及ぼす影響が大きいかがわかる。
 又、高額療養費支給制度については、ご承知のとおり、医療費の総額が十三万円をこえた場合、自己負担三万九千円をこえた分について支給する制度である。たとえば、月に医療費が百万円の場合、七〇万円が村負担となり、三〇万円が自己負担であり、自己負担三〇万円の内二六万一千円が高額療養費として村が支給するということになる。
 五十一年四月九・一%、五十三年二月九・六%の医療費改定、入院受診率の増大により、高額療養費も増え続け、被保険者にとっては恩恵をもたらしているが、国保財政をひっぱくする大きな要因となっている。
 国保制度も大きな転換期をむかえ、老人医療費の問題についても五十三年度中には別建て等具体案が示され、五十四年度には実施に移行されるものと思われるが、今後も医療費は年々増大する一方にあると思われる。これら、増大し続ける医療費に対処する被保険者の負担はもとより、村においても健全財政運営に努力し、苦心を払っているのが現状である。
 次に村における国保の概要について表により説明する。
1 一般状況
(1)加入状況
(住民福祉課国民健康保険係)
区分総世帯数総人口国保世帯数被保険者数加入率擬制世帯数擬制世帯の占める割合
年度世帯数被保険者数
481,2486,0221,0854,83886.980.3272.4
491,2485,9551,0754,73886.179.8232.1
501,2496,0391,0674,67185.477.3232.1
511,2576,0571,0764,52585.474.0272.5
521,2526,0431,0744,45185.873.7383.5

(2)財政状況
千円
区分収支差引残実質収支単年度収支一般会計繰入金一般会計繰入金を控除したとき
年度実質収支単年度収支
4813,82114,94142220014,741222
4916,22617,4152,47420017,2152,274
5025,35923,7566,34120023,5566,141
5122,82423,91315820023,713△42
5221,33620,458△3,4553,00017,458△455

2 保険給付状況
区分一部負担金助産費(1件当り)育児手当(1件当り)葬祭費(1件当り)
年度
483010,0003,0007,000
493020,0003,0007,000
503040,0003,0007,000
513040,0003,0007,000
523060,0003,00010,000
533060,0003,00010,000

(1)療養諸費費用負担額区分状況
区分費用額保険者負担分一部負担金他法負担分上昇率
年度他法優先国保優先
48114,305,79779,501,93625,305,168731,5948,767,099
49155,608,578108,669,03633,533,409367,09013,039,043
50176,781,352123,554,09638,210,071275,49514,741,690
51205,529,170142,808,62642,527,6641,516,36018,676,520
52247,648,775172,731,68452,461,549889,15021,566,392

(2)高額療養費支給状況
区分件数費用額保険者負担分高額療養費被保険者負担分他法負担分
年度
4911521,295,06014,906,5422,938,5182,605,392844,608
5016533,590,29023,513,2635,127,0873,900,0001,050,000
5118040,278,94028,170,4196,229,4073,542,6292,336,485
5217551,691,16536,183,8158,591,1395,161,2111,755,000

(3)療養の給付(診療費)の内訳
(入院)
年度件数日数費用額
483937,01424,695,320
493746,48539,263,210
503846,11446,159,930
513456,11653,208,737
524287,84174,904,760

(入院外)
年度件数日数費用額
4819,47971,92679,662,883
4919,78070,354102,075,386
5019,72268,068116,222,196
5120,30470,985137,335,496
5220,59470,865154,078,754

(歯科)
年度件数日数費用額
482,8589,5589,377,860
493,0679,75613,226,900
502,9428,70613,111,340
512,9798,37913,456,150
523,4829,17216,900,970

(合計)
年度件数日数費用額
4822,73088,49497,877,210
4923,22186,595154,565,496
5023,04882,888175,493,466
5123,62885,480204,000,383
5224,50487,878245,884,484

(4)療養費の給付(診療費)の諸率
(受診率)
年度入院入院外歯科
488.071400.06258.698466.831
497.819413.54864.123485.490
508.221422.22262.984493.428
517.624448.70765.834522.166
529.616462.68378.230550.528

(1件当りの日数)
年度入院入院外歯科
4817.853.693.343.89
4917.343.563.183.73
5015.923.452.963.60
5117.733.502.813.62
5218.323.442.633.59

(1件当りの費用額)
年度入院入院外歯科上昇率
4862,8384,0903,2815,004111.32
49104,9825,1614,3136,656133.01
50120,2085,8934,4577,614114.39
51154,2286,7644,5178,634113.40
52175,0117,4824,85410,034116.21

(1人当りの費用額)
年度入院入院外歯科上昇率
485,07216,3611,92623,359119.63
498,20921,3412,76532,316138.34
509,88224,8822,80737,571116.26
5111,75930,3502,97445,083119.99
5216,82934,6173,79755,243122.54

3.保険税の状況
区分調定額上昇率収納率現年度分上昇率
年度1世帯当り1人当り1世帯当り1人当り
千円
4840,536124.2898.7937,2578,325125.65127.95
4955,526136.9898.4951,84111,475139.14137.84
5060,357108.7098.7856,56812,764109.12111.23
5176,940127.4798.6871,50517,003126.40133.21
5277,881101.2298.5072,51517,497101.41102.91

年度税率
所得割資産割均等割平等割
482.6/10028/1001,9003,400
492.6/10028/1001,9003,400
503.8/10038/1002,2004,000
514.0/10040/1002,4004,800
524.0/10040/1002,4004,800

国保税の限度額(1世帯当り)
年度金額
4880,000
49120,000
50120,000
51150,000
52170,000
53190,000(見込み)


〈1人当りの保険税と1人当りの費用額との関係〉

4.老人医療費調(寿分)
(1)支給対象者数
年度国保被保険者数寿対象者数寿老人の占める割合
484,8383427.07
494,7383206.75
504,6713607.71
514,5254129.14
524,4514319.68

(2)療養諸費に関する調
年度総医療費老人医療費寿分老人医療費の占める割合
48114,305,79726,303,31523.01
49155,608,57837,799,43024.29
50176,781,35246,855,99026.50
51205,529,17066,740,80032.47
52247,648,77573,894,77029.84

(3)療養の給付(診療費)の内訳
(入院)
年度件数日数費用額
48314751,850,180
49661,1328,071,030
50447285,846,290
51701,38313,043,810
52841,34914,924,030

(入院外)
年度件数日数費用額
483,31818,60023,790,475
493,17716,41028,882,770
503,83819,44339,910,830
514,35822,04452,436,240
524,67123,72357,323,150

(歯科)
年度件数日数費用額
48146441594,160
49141434733,930
50157476955,940
51150395957,520
522195661,554,860

(合計)
年度件数日数費用額
483,49519,51626,234,815
493,38417,97637,687,730
504,03920,64746,713,060
514,57823,82266,437,570
524,97425,63873,802,040

(4)療養の給付(診療費)の諸率
(受診率)
(%)
年度入院入院外歯科
489.064970.17542.6901,021.930
4920.625992.81344.0631,057.500
5012.2221,066.11143.6111,121.944
5117.2841,076.04937.0371,130,370
5219.4901,083.75950.8121,154.060

(1件当り日数)
(日)
年度入院入院外歯科
4815.325.613.025.58
4917.155.173.085.31
5016.355.073.035.11
5119.765.062.635.20
5216.065.082.585.15

(1件当りの費用額)
(円)
年度入院入院外歯科
4859,6837,1704,0707,506
49122,2889,0915,20516,137
50132,87010,3996,08911,566
51186,34012,0326,38314,512
52177,66712,2727,10014,838

(1人当りの費用額)
(円)
年度入院入院外歯科
485,41069,5631,73776,710
4925,22290,2592,294117,774
5016,240110,8632,655129,759
5132,207129,4722,364164,043
5234,627133,0003,608171,234


(被保険者1人当り費用額と老人1人当り費用額との関係)


昭和52年度国保特別会計決算状況
歳入


歳出


国民健康保険事業状況A表(1)
(昭和52年度)


国民健康保険事業状況A表(2)
(昭和52年度)


国民健康保険事業状況B表
(昭和52年度)


国民健康保険事業状況別表
老人医療費支給対象者にかかる保険給付状況
(昭和52年度)


別表 国民健康保険疾病分類別調査表(昭和52年5月分)