経済の高度成長とともに、国民生活の水準は急速に向上しており、全国的に生活様式が都市化の傾向を示してきている。
このため、各地方公共団体における、ごみ処理・し尿処理・上下水道・消防施設・文化施設の整備といった都市的施設の整備に対する住民の要請が強くなってきた。
しかしながら、これらの施設整備には多額の事業費が必要とされ、単独市町村において早急に行なうのは、財政的に困難な状況にある。
一方、自動車の大衆化に伴なって住民の日常生活の行動範囲が次第に拡大し、市町村の区域を越えた広域的な社会において生活圏を形成するようになった。
このため、市町村の行政も市町村の区域内においてだけでなく、広域的視野にたった形で行政を進めていかなくてはならなくなってきた。
以上のような趣旨のもとに、昭和四十四年度以降日常社会生活圏(就学・買物・医療等の生活圏)を一個の区域として、広域市町村圏行政を展開することとなった。
栃木県における広域市町村圏の設定状況
栃木県においては、昭和四十四年度に栃木地区が設定されて以来昭和四十七年度までに一〇圏域全てが設定されており、全市町村がカバーされている。