(2) 農業生産

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 各作目別に昭和四十年から四十五年までの五カ年間の推移と、さらに今年までの五年間を比較したとき、作付面積の増加しているものは、米・野菜・里芋である。米については昭和四十四年までの開田ブームで増加したものであり、その後の増産の期待は持てない。野菜については、ハウス園芸によるものが大きく、トマト・キュウリ・イチゴ・ニラ・ネギ等の栽培技術の向上と施設とが伸びている。里芋は生産調整の転作物として伸び年々増産されている。その他、豆類・麦類等についても転作作物として伸び続けてきた。
 飼料作物については、畜産振興の線に沿って伸びているが、自給飼料を充分満たすには至っていない。
 畜産については、乳牛・和牛・豚は飼育頭数羽数、生産量とも増加しているが、水稲プラス酪農家が規模の拡大を図っているのが目立っている。
 養蚕については、生産性の高い養蚕へと年々桑園の造成、団地化が進んでいる。
 果樹については、昭和四十年代の八ヘクタールが、昭和四十五年には一八ヘクタール、昭和五十年には四三ヘクタールと、その増加は著しく、品種についても長十郎から幸水へと、生産性、価格の高価品種の作付へと移行され、今後も期待できる作物の一種である。
 又、農業生産形態にも変化がみられ、米単作農家が主体であった当村農業形態も米と野菜・酪農・果樹等複合経営形態農家が多くなった。生産額でみると現在の農業総生産額二六億一、四〇〇万円と昭和四十五年度に比べ二五%の伸びである。作目の伸びは、稲作転換特別対策事業により、多少米生産意欲が低下したものの米作に対するものには根強いものがあり、横バイ状態を続けてきた。この間に他作目(特に梨・施設園芸・畜産)などの作物に安定した増加をたどってきた。
 一方土地基盤の整備も全村実施計画が、樹立されて三年、実施率六五%と推進中であるが、今後は、安定所得を目標に農業構造改善指針を確立することが本村の急務であり、各振興作目については、地域特性をふまえて、地域別、集団化、団地化を目標に推進し本村の主幹作物である米と他作目を合理的に結びつけ、農業生産性の拡大、合理化を推進することが今後の課題であり、今日の大型機械が普及している中で問題等も多いが組織育成強化をはかりながら農業生産の合理化を併せて推進するものとする。(表一一参照)
表―11 作目別の作付面積,生産量,生産額等の動向
昭和45年昭和50年昭和51年
作付面積(飼養頭羽数)
(ha)
生産量
(t)
粗生産額
(千円)
作付面積(飼養頭羽数)
(ha)
生産量
(t)
粗生産額
(千円)
作付面積(飼養頭羽数)
(ha)
生産量
(t)
粗生産額
(千円)
1,4455,124805,6441,3206,8101,272,0001,4306,2401,165,000
麦類13141925,9784313012,0004113312,000
雑穀豆類46595,3106815020,500141621,800
いも類4368819,264561,65012,000121971,430
野菜(施)1121,68063,84012930126,0001868192,000
〃(露)421,60036,300811,35430,700
果樹78410,2483595023,000403879,369
花キ
工芸作物295,08032,10341112,50082123,863
飼料作物2271887,000金額査定不能
その他耕種作物
養蚕(桑)268,801423751,0004757,000
肉牛4282,25910,3403803,500359,000350330,657
乳牛869112,5901,08011049,0001,10049,900
5689,6604,55012,000659,0007,3001,057,290
にわとり3,82222,56012,000152,4006,6001,320
その他畜産物
1,126,3922,634,7002,852,329
(農林センサス及び農作物統計)