農業振興の基本構想

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 本村は、県の北東部に位置し、平坦な水田地帯であり、村中央部に丘陵があり畑作地帯はなし、ほとんどが農用地に活用されている純農村地帯である。この農用地について、数年前より全村ほ場整備事業を実施、現在村水田の六五%が基盤整備を完了、昭和五十七年度には整備率九二%に達する見込みである。これらの整備された農用地を対象に大型機械化体系を確立、整備された土地に即応した営農体系を樹立し、土地利用の効果を高めるものとする。こうした生産基盤の整備に伴い、米・野菜・牛乳・肉牛・肉豚の生産増及び技術の向上は見られるものの米の作付面積は農用地の七九%を占め、急速に他作目への転換は困難である。今後の方向としては、農協を中心とした米生産合理化体系の確立を図り、集団的組織の育成強化を進め、労働力の省力化・安定的生産・品質の向上等を基本に各地区の特性をふまえた農業振興を展開するとともに、一戸当り二ヘクタールの平均耕地面積をもつ専業農家育成、兼業農家の営農類型の確立、農地の高度利用・合理化・離農対策・生活改善等の問題を処理し、純農村地帯の保全に努め、農業の振興を図る。又機械化一貫体系を確立し、省力化による余剰労力を活用し、野菜については、特に施設園芸(トマト・キュウリ・イチゴ・ニラ)を中心として、露地野菜(バンダム・里芋・夏きゅうり・冬とりかんらん)、また、果樹については梨等の規模拡大と収益性を高めるために、計画的生産出荷と品質の向上、及び生産費の引下げを図るものとし、高度技術の導入と高性能機械並びに関連施設の整備強化を推進する。畜産のうち、乳牛については、多頭飼育が増加しつつあるが、現状の乳牛に水稲作複合経営から専業的経営形態農家の育成を推進する必要がある。
 農業経営の目標については、他産業従事者との均衡のとれた所得の確保から約四〇〇万を目標として、これを実現するために営農類型を水稲五ヘクタール以上の専業農業経営に一部請負耕作を含め、更に野菜に水稲、乳牛に水稲、養豚に水稲、果樹に水稲、桑園に水稲等の複合経営形態、農家の育成、強化整備定着を図り、土地・資本投下の整備を進め、労働生産性を高めるものとし、併せて安定兼業の確立、離農対策環境整備を促進する。
 農産物の流通加工面では、米の自主流通米の販路拡大から優良倉庫の完備をはかり野菜・牛乳・果樹等については需用の高度化に対処し、健全な発展と販売価格の安定をはかるため流通の近代化が最も重要である。このため農協が中心となり、計画的な生産と出荷を系統一元化の方法で推進し販売体制を整え、積極的に販売路拡大と流通の円滑化を推進する。