一ケ月の所用経費を月末にまとめ、翌月これを地区内戸数に割あて、各村(字)毎に集金したものである。
学校諸費
明治十年十月ヨリ十二月迄
学校諸費計算簿 温習舎
記 湯津上村
一金弐拾五円八拾四銭 温習舎諸月俸
内訳
一金拾円五拾銭 森軌秀月俸三ケ月分
金七円也 英染磨月俸弐ケ月分
金四円五拾銭 鈴木大幢月俸三ケ月分
金三円也 校掌 深沢惣吾月俸三ケ月分
金七拾五銭 役夫 五味渕繁蔵
金九銭也 状送賃黒羽行〆三度同人
一金三円 書籍代
内訳
金壱円七拾五銭 大算盤壱丁
金六拾五銭 人体図壱幅
金弐拾五銭 減算、九九壱枚
金拾八銭 地学啓源壱冊
金八銭五厘 地誌略一 壱冊
金八銭五厘 地誌略二 壱冊
一金壱円九拾七銭五厘五毛 諸雑費
内訳
十月十日
金拾四銭三厘 中紙壱束三丈
同村佐藤金三払
一月十九日
金七銭五厘 炭 壱俵 黒羽 小西屋払
金六銭弐厘五毛 手桶 壱ツ同人払
十月廿九日
金四銭 土瓶壱ツ 狭原村奥沢利蔵払
十一月一日
金拾四銭 炭 壱俵 黒羽小西屋払
金拾壱銭五厘 中折 壱束 同人払
十一月十日
金三拾銭 炭 弐俵 同村深沢治三郎払
十二月十日
金拾七銭五厘 むじ(むち)三本
□□□□払
十二月廿二日
金拾壱銭 中折壱束 佐蔵金平払
金九銭 ぶりきかなたらへ一ツ
大田原佐野屋
十一月十日
金拾銭 茶代 同村惣三郎へ
十一月廿壱日
金拾三銭五厘 麻うら三束 米沢屋払
十一月六日
金六銭 麻はし切三ツ〓 払
十二月六日
金弐拾五銭 白墨 壱箱
金拾八銭 学校所、屋賃三ケ月分
合金三拾円八拾壱銭五厘五毛
内
金三円三拾銭 授業料三ケ月分
元金八拾円
金三円六拾銭 資本金御下金利子
但シ十月より十二月迄三ケ月分
壱割八分利
金三円九拾弐銭八厘八毛 六月御下
金三拾五銭壱厘六毛 委托金七月より十二月迄利子
〆七円廿五銭壱厘六毛 六ケ月壱割八分利
差引
金弐拾三円五拾六銭三厘九毛
外ニ金弐円廿壱銭六厘七毛 本校費分校割ノ一
合(計)金弐拾五円七拾八銭〇六毛
右之勘定検査相済候也
明治十一年一月十七日
栃木県第三
大区七小区
区務所印
右之通相違無御座候ニ付御検印願上候也
右校掌
明治十一年一月七日 深沢惣吾
(船山久三家文書)
新宿学校に関する資料を次に載せる。
正風学校新築ニ付寄附願
阿久津藤四郎外三十壱名
右一同奉申上候、私共村方外新宿村、倉骨村、蛭田村結舎、正風学校新築営繕落成仕候、然ル処多分之費用相掛結舎村々戸数并人口エ賦課可致者勿論ニ御座候、右賦課金壱ケ村ヨリ出金可相成金高エ別紙頭書之金額右校エ寄附仕度一同協議相成候間御採用被成下度此段奉願候以上
明治十二年五月
右願人惣代
鈴木忠次
大久保清一郎
阿久津藤四郎
大野佐平太
栃木県那須郡長 藤田吉享殿
書面願出候旨通過候也
学区取締 印南丈作 印
書面願之趣聞届候事
明治十二年六月三日
栃木県那須郡長 藤田吉享 印
阿久津藤四郎外三十壱名
右一同奉申上候、私共村方外新宿村、倉骨村、蛭田村結舎、正風学校新築営繕落成仕候、然ル処多分之費用相掛結舎村々戸数并人口エ賦課可致者勿論ニ御座候、右賦課金壱ケ村ヨリ出金可相成金高エ別紙頭書之金額右校エ寄附仕度一同協議相成候間御採用被成下度此段奉願候以上
明治十二年五月
右願人惣代
鈴木忠次
大久保清一郎
阿久津藤四郎
大野佐平太
栃木県那須郡長 藤田吉享殿
書面願出候旨通過候也
学区取締 印南丈作 印
書面願之趣聞届候事
明治十二年六月三日
栃木県那須郡長 藤田吉享 印
蛭畑学校は佐久山学校の分校であったが、明治十二年、新宿村済美学校の所属分校になりたいと申し込み、諒解を得た。
それについての契約書である。
契約書
当村蛭畑学校、是迄咲山校分校に有之候処、路程遠隔ニ付、其新宿村済美学校分校ニ引替相成度旨奉願仕候処、御聞届に相成然ル上ハ、当分校生徒熟達次第本校へ繰リ上ゲ、且本校より教員を派出被下、其賄料トシテ毎一ケ月金五円を本校へ上納仕候筈之段、相違無之候、且又当分校修繕費其外毎月諸雑費等ハ、当結舎方ニて相償、少しも御校エハ相掛申間敷候、為後日取替セ証書仍而如件
明治十二年第四月一日 那須郡蛭畑村学校
結舎惣代 遅沢金次
〃 田中幸三郎
証人
校掌 吉成喜一郎
新宿村設立
済美学校結舎御中
当村蛭畑学校、是迄咲山校分校に有之候処、路程遠隔ニ付、其新宿村済美学校分校ニ引替相成度旨奉願仕候処、御聞届に相成然ル上ハ、当分校生徒熟達次第本校へ繰リ上ゲ、且本校より教員を派出被下、其賄料トシテ毎一ケ月金五円を本校へ上納仕候筈之段、相違無之候、且又当分校修繕費其外毎月諸雑費等ハ、当結舎方ニて相償、少しも御校エハ相掛申間敷候、為後日取替セ証書仍而如件
明治十二年第四月一日 那須郡蛭畑村学校
結舎惣代 遅沢金次
〃 田中幸三郎
証人
校掌 吉成喜一郎
新宿村設立
済美学校結舎御中
(鈴木堅一家文書)
明治十三年に、各村毎に定められた、小学校資金徴収規約は、模範例により作製したもので、各村それぞれ同文である。
小学校資金徴収規約
今般学則御改正ニ付テハ従前ノ寄附金ヲ廃シ小学御補助金ヲ蓄積シ更ニ左条ニ掲約シ永久保存法ヲ設ク
第壱章 資金徴収法
第一条 学資徴収ハ総テ戸長ニ於テ取扱モノトス
第二章 小学御補助金蓄積条例
但、廃棄ニ際シテハ郡役所ヘ開申スベシ
第九条 貸付金元利共毎年十二月十五日ヲ期トシ取立ルヲ法トス
第十条 第九条ニ因リ収入スル利子ハ元金ヘ組入直日貸付スルモノトス
第十一条 貸附并取立トモ都テ学務委員ニ於テ取扱フモノトス
尤其時々学区内各戸長ノ内、壱員立合シ不正ノ筋無之様注意スルモノトス
但、筆墨紙其他貸付取立ニ関スル諸費ハ該利子ノ内ヲ以テ支消ス
前書之各条協議ノ上契約公証候也
那須郡第六十三番小学区
新宿村
片府田村
明治十三年 戸長 渋江平十郎
第六月廿二日 人民惣代 小林倉太
〃 蛭田与三郎
〃 大久保万次
〃 高野喜四郎
蛭田村
戸長 蜂巣伊造
人民惣代 蜂巣伊三太
〃 大野重次郎
〃 平山金十郎
倉骨村
戸長 福田随平
人民惣代 増渕弥三郎
校費割賦
回章 済美学校会計掛
明治十三年七月分済美学校経費明細表
一金拾円也 教員野口直雄俸給
一〃四円也 授業生大久保政五郎同断
一〃三円也 同生 高野市郎 同断
一〃弐円也 会計掛大久保万次 同断
七月四日
一〃三拾七銭弐厘 炭六俵代片府田村鈴木屋より買揚別冊通簿を以て仕払の分
二十九日
一金拾七銭 半紙拾七帖代
一〃壱銭 月末成績賞誉用水引壱把代
右同屋払三分
一〃三銭 同断ニ付新宿松屋より皮草履弐足買
十二日
一〃弐銭 墨壱挺代烏山町森己之吉より買揚の分但別紙証有之
一〃壱銭六厘 筆・半紙同人払右同断
三日
一〃三銭 学資利金督促ニ付蛭田村エ走ス 脚夫賃鈴木百文渡
四日
一〃弐銭 学校需用品送ス 同上渡
五日
一金三銭 蛭田村エハ役場より走ス 脚夫賃鈴木百文払
十三日
一〃三銭 学資利金督促同村ニ走ス 同人渡
二十日
一〃四銭 机手直用釘壱把代片府田村鈴木屋より通帳ヲ以買揚之分
計金拾九円七拾六銭八厘
此賦課
内訳
金七円九拾銭七厘弐毛 地価四分ス
此課地価金五万九千六百弐拾九円九拾弐銭壱厘
但拾円ニ付金壱厘三毛弐糸六
金五円九拾三銭四毛 人口 三分ス
此価人九百九拾人
但壱人ニ付金五厘九毛九糸
金五円九拾三銭四毛 戸数三分ス
此課戸百五拾三戸
但壱戸ニ付金三銭八厘七毛六糸
蛭田村
一金三円九拾三銭六厘弐毛 地価割
一〃弐円五拾九銭九厘七毛 人口割
一〃弐円六拾三銭六厘 戸数割
計金 九円拾七銭壱厘九毛
倉骨村
一金壱円九銭弐厘 地下割
一〃壱円拾八銭 人口割
一〃壱円廿銭壱厘六毛 戸数割
計金三円四拾七銭三厘六毛
新宿村
一金壱円弐拾弐銭九厘四毛 地価割
一〃七拾弐銭四厘八毛 人口割
一〃七拾七銭五厘 戸数割
計金弐円七拾弐銭九厘弐毛
片府田村
一金壱円六拾四銭八厘九毛 地価割
一〃壱円四拾弐銭五厘六毛 人口割
一〃壱円三拾壱銭七厘八毛 戸数割
計金四円三拾九銭弐厘三毛
惣計金拾九円七拾六銭七厘
割取差引金壱厘乗不足
古之通割課及御回報候間至急御徴収奉願候也
済美学校
会計掛
明治十三年八月五日 大久保万次 印
蛭田村
戸長御中
栃木県那須郡
蛭田村戸長役
場印
新宿村
戸長御中
栃木県那須郡
新宿村片府田
村戸長役場印
倉骨村
戸長御中
栃木県那須郡
鹿畑村倉骨村
奥沢村上奥沢
村戸長役場印
副申
大至急御回送ヒ下回尾より御返戻被下度候也
今般学則御改正ニ付テハ従前ノ寄附金ヲ廃シ小学御補助金ヲ蓄積シ更ニ左条ニ掲約シ永久保存法ヲ設ク
第壱章 資金徴収法
第一条 学資徴収ハ総テ戸長ニ於テ取扱モノトス
第二条 校中諸経費及職員月俸旅費等ハ該校会計掛ニ於テ尽日(じんじつ)(月末)之ヲ計算シ学区毎村地価ヘ三分、人口ヘ三分、戸数ヘ四分シ之ヲ割賦シ各村戸長ヘ報告ス
第三条 戸長ハ第二条ニ因リ、会計掛ヨリ分賦到達ノ上ハ速日徴収シ、翌月八日ヲ限リ該校会計掛ヘ送付シ、会計掛ニ於テハ十日ヲ期シ仕払モノトス
第四条 戸長ハ学資金徴収ノ際、人民ヨリ若シ故ナクシテ期日ヲ経過スルコト有ルトキハ、其ノ事由ヲ質問シ事宜ニ因リ、学務委員ニ報告シテ、学区人民ト会議決議ノ上相当ノ償金ヲ出サシム可シ
第五条 戸長ハ第三条ニ因リ毎期会計掛ヘ送付期日ヲ過ル事由有時ハ其事情ヲ速ニ学務委員ニ具報ス可シ
第二章 小学御補助金蓄積条例
第六条 小学御補助金ハ追年ニ蓄積シ校費ヲ補充スルト認ムル期ニ至リテハ第一章ヲ廃棄スルモノトス
但、廃棄ニ際シテハ郡役所ヘ開申スベシ
第七条 小学御補助金ハ学務委員ニ於テ領受シ、学区内豪農富商等、身元慥成者ヘ壱ケ年壱割以上ノ利子ヲ以テ、都(すべ)テ他日不都合ヲ不生様公布ノ成規ニ寄リ不動産ヲ抵当トシ貸付スルモノトス
第八条 貸附年季ハ壱ケ年ヲ限リトス、最満期ノ節更ニ借用セン事ヲ乞フ者有ルトキハ、一旦返納セシメ改メテ貸付ス可モノトス
第九条 貸付金元利共毎年十二月十五日ヲ期トシ取立ルヲ法トス
第十条 第九条ニ因リ収入スル利子ハ元金ヘ組入直日貸付スルモノトス
第十一条 貸附并取立トモ都テ学務委員ニ於テ取扱フモノトス
尤其時々学区内各戸長ノ内、壱員立合シ不正ノ筋無之様注意スルモノトス
但、筆墨紙其他貸付取立ニ関スル諸費ハ該利子ノ内ヲ以テ支消ス
第十二条 貸附証書并貸付人名簿、利子取立帳等都テ散佚セザル様学務委員ニ於テ所蔵スルモノトス
第十三条 学務委員ニ於テハ、毎年一月五日ヲ限リ蓄積金出納表ヲ以テ官民ヘ報告ス
前書之各条協議ノ上契約公証候也
那須郡第六十三番小学区
新宿村
片府田村
明治十三年 戸長 渋江平十郎
第六月廿二日 人民惣代 小林倉太
〃 蛭田与三郎
〃 大久保万次
〃 高野喜四郎
蛭田村
戸長 蜂巣伊造
人民惣代 蜂巣伊三太
〃 大野重次郎
〃 平山金十郎
倉骨村
戸長 福田随平
人民惣代 増渕弥三郎
校費割賦
回章 済美学校会計掛
明治十三年七月分済美学校経費明細表
一金拾円也 教員野口直雄俸給
一〃四円也 授業生大久保政五郎同断
一〃三円也 同生 高野市郎 同断
一〃弐円也 会計掛大久保万次 同断
七月四日
一〃三拾七銭弐厘 炭六俵代片府田村鈴木屋より買揚別冊通簿を以て仕払の分
二十九日
一金拾七銭 半紙拾七帖代
一〃壱銭 月末成績賞誉用水引壱把代
右同屋払三分
一〃三銭 同断ニ付新宿松屋より皮草履弐足買
十二日
一〃弐銭 墨壱挺代烏山町森己之吉より買揚の分但別紙証有之
一〃壱銭六厘 筆・半紙同人払右同断
三日
一〃三銭 学資利金督促ニ付蛭田村エ走ス 脚夫賃鈴木百文渡
四日
一〃弐銭 学校需用品送ス 同上渡
五日
一金三銭 蛭田村エハ役場より走ス 脚夫賃鈴木百文払
十三日
一〃三銭 学資利金督促同村ニ走ス 同人渡
二十日
一〃四銭 机手直用釘壱把代片府田村鈴木屋より通帳ヲ以買揚之分
計金拾九円七拾六銭八厘
此賦課
内訳
金七円九拾銭七厘弐毛 地価四分ス
此課地価金五万九千六百弐拾九円九拾弐銭壱厘
但拾円ニ付金壱厘三毛弐糸六
金五円九拾三銭四毛 人口 三分ス
此価人九百九拾人
但壱人ニ付金五厘九毛九糸
金五円九拾三銭四毛 戸数三分ス
此課戸百五拾三戸
但壱戸ニ付金三銭八厘七毛六糸
蛭田村
一金三円九拾三銭六厘弐毛 地価割
一〃弐円五拾九銭九厘七毛 人口割
一〃弐円六拾三銭六厘 戸数割
計金 九円拾七銭壱厘九毛
倉骨村
一金壱円九銭弐厘 地下割
一〃壱円拾八銭 人口割
一〃壱円廿銭壱厘六毛 戸数割
計金三円四拾七銭三厘六毛
新宿村
一金壱円弐拾弐銭九厘四毛 地価割
一〃七拾弐銭四厘八毛 人口割
一〃七拾七銭五厘 戸数割
計金弐円七拾弐銭九厘弐毛
片府田村
一金壱円六拾四銭八厘九毛 地価割
一〃壱円四拾弐銭五厘六毛 人口割
一〃壱円三拾壱銭七厘八毛 戸数割
計金四円三拾九銭弐厘三毛
惣計金拾九円七拾六銭七厘
割取差引金壱厘乗不足
古之通割課及御回報候間至急御徴収奉願候也
済美学校
会計掛
明治十三年八月五日 大久保万次 印
蛭田村
戸長御中
栃木県那須郡
蛭田村戸長役
場印
新宿村
戸長御中
栃木県那須郡
新宿村片府田
村戸長役場印
倉骨村
戸長御中
栃木県那須郡
鹿畑村倉骨村
奥沢村上奥沢
村戸長役場印
副申
大至急御回送ヒ下回尾より御返戻被下度候也
(大久保政夫家文書)
校名改正
校名改正御願
那須郡第七拾番学区済美学校之儀新宿外四ケ村結舎致し居候処、今般結舎村協議之上、新宿村学校ト改正仕度候間、此段御聞届ヒ成度御願候也
明治十七年五月三十一日 結舎人民惣代
吉成萬次郎
〃 蜂巣伊造
〃 郡司雄三郎
〃 鈴木太平
〃 大久保清二郎
右校学務委員
大野喜八郎
戸長 大野佐平太
栃木県令三嶋通庸殿
那須郡第七拾番学区済美学校之儀新宿外四ケ村結舎致し居候処、今般結舎村協議之上、新宿村学校ト改正仕度候間、此段御聞届ヒ成度御願候也
明治十七年五月三十一日 結舎人民惣代
吉成萬次郎
〃 蜂巣伊造
〃 郡司雄三郎
〃 鈴木太平
〃 大久保清二郎
右校学務委員
大野喜八郎
戸長 大野佐平太
栃木県令三嶋通庸殿
(鈴木堅一家文書)