ア 現況と課題

940 ~ 942
 本村の土地利用の現況は別表のとおりであり、農用地(特に水田)は国道二九四号線、県道大田原~小川線を中心に那珂川、箒川の二大河川沿いに広がり、その大半がほ場整備、農道整備など土地改良事業が実施され一大水稲地帯を形成している。中央部は丘陵台地で畑地と山林であったが、昭和四十七年度後半から民間デベロッパーにより山林の大半が買収され、現在ゴルフ場二カ所約一三〇ヘクタールが営業を開始し、一カ所約一三〇ヘクタールが用地買収中で未だ造成の見通も立っていない。他に畜産業社二社により約五〇ヘクタールの山林が草地造成されている。さらに栃木県及び村の共同により品川台工業開発が進められ、用地九〇ヘクタールの大半の買収が完了し工業開発がなされようとしている。住宅地は、農用地区域内に小集落的に点在しわずかに佐良土、小船渡地区に家屋が軒を連ねている。つまり村全体の約六三%が農地で占められている典型的な純農村である。

土地利用の現況(単位:ha)
(昭和51.1.1現在)
区分総面積農地森林
水田その他国有林公有林民有林
天然林人工林その他
面積ha3,2421,5664822,038223919410495517
比率%10048.014.962.97.012.12.90.315.316.0
 
区分宅地その他
住宅工場その他
面積ha11454123564
比率%3.50.20.13.817.3
(昭51概要調査書による)

 しかしながら、東北自動車道の開通、東北新幹線の建設工事の着工などにより大田原市、黒磯市を中心に県北部地区は、急速な都市化と工業化が進み、本村もその影響を受け、品川台工業団地の開発、観光レクリエーション施設等の進出など徐々にではあるが純農村的形態が複雑な要素を含む村に変化しつつある。このような地域開発の動きに伴い、他への影響特に農地にあらわれることが予想されるので、将来を見極めた土地利用の構想の確立が急務であり、併せて当然のことながら強力な行政指導による土地利用の規制と、その対策を講じる必要がある。又、品川台工業団地の早期造成と優良企業の導入、民間企業の所有する未利用地の対策など解決を図るべき数多い課題が山積している。