ア 現況と課題

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 近年経済の急速な発展により農業と他産業との格差がひらき、農業所得は他産業就業者に比較して低い水準にある。また農業の機械化に伴う農作業の省力とスピードアップは、労働力に余剰ができ、農外収入への依存度を高めつつある。本村において農業は主要産業であり、農業の振興、特に他産業なみの所得水準に引き上げるための行政施策を推進しているが、情勢はきびしい。本村の農地は約二、〇三八ヘクタールと全面積の六三%で、那珂川、箒川沿いの水田は平坦で肥沃で優良農地である。中央部は畑作台地に類別される典型的な主穀作農業である。一戸あたりの平均経営規模は約二ヘクタールと零細で、しかもその農地は平均約九団地に分散しており、圃場の未整備は農業の生産性向上の阻害要因となっている。近年農地の大半を占める水田地帯のほ場整備の必要性の認識を高め、全域実施体制にあり、昭和五十五年度には一、三〇〇ヘクタールが完了する予定である。これにより農業の近代化が促進され、農業生産もより高められ、経営の安定化が図れるものと思われる。農業人口は年々減少の傾向にあり、次第に兼業農家が増加しており、農業後継者の確保や兼業農家の安定などその変化に対応する施設も必要である。