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粛啓岳南海江の晩秋一風一両に寒冷相添へ候事と拝察候処 老公閣下益御清康奉敬賀候
陳者今次尊家御複製にかゝる
管見記一百五巻 一揃
測らすも拙家へ御寄贈を蒙り候趣本日内地留守の者より報告有之芳情海嶽厚く御礼申上候
承はれは右は西園寺家御伝来の至宝たるは勿論我国文献中罕観の珍籍貴書の由而も限ある数の中より特に其一揃の御恵贈を忝ふいたし候事光栄至極深く感銘申候此の上は尊慮を体して永く拙家尊経閣文庫に秘蔵千載に伝へ可申候
右不取敢御礼申上度北満僻遠の陣中より寸楮如此御座候 敬具
十一月廿五日 満州綏陽牙営 侯爵前田利為
西園寺老公閣下 侍曹