雨聲会書画集

原本で見る
 
枯魚過河泣
何時悔復及
作書与魴鱮
相教慎出入
 鴎外髙湛
 
十載重登
旧酒楼
哀絲豪
竹惹春
愁当時
意気依然
在満座
唯看多
白頭 桂月
 
邪に足を投
けゝり春の宵
    天外
 
女のさかり
  なるは
十四五六才
二十三四
   とか
三十四五に
し〔に:ママ〕
 なりぬれは
紅葉の
 した葉に
 ことならす
梁塵秘抄
の中より
  花袋
 
紺地に茶のたて縞の一枚小袖
 緋の紋ちりめんの長襦袢ともに
つひたけにして袖長し極うすい
 クリーム色に枝垂桜を
  ぬひつぶしの半襟 せいじ色に
銀でぬひわけの帯 白木の両
 ぐりの駄下駄 えりあし雪の如く
白く緋鹿子の襟かすかに見ゆ
  きりヽとした婀娜な顔 細おもて
 右正に危く見初めし候処
下町の娘花見の風俗
   昨日所見  鏡花
 
野上渚嬢謹
似頭描出老翁
意中人
 六十九翁渋柿
 
ときわ今
 あめガ下知る
  雨聲会
酒戦の
  てがら
 たが立てにけん
   荷風
 
 街上所見
小雨降る
 銀座の夜を
   女優髷
ゴンドラの歌
 口ずさみ行
  魯庵
 
海燕雨飛不
回頭河中
流水却東
流莫愁湖
上春愁女
総為愁多
名莫愁
  三叉
 
友禅の
  袖
着かぬる
 てすり哉
  春葉
 
龍吟
 雲雨起
  皋水
 
三五夜中
新月色二
千里外故人心
   時雄
 
されハこゝに
雨聲会も
十歳に及ひ
たれハ  小波
 
雨聞きし
  むかし語りや
  おほろ月
 
干時大正丙辰四月十八日
也 陶庵主人しるす
 
大正五年
雨聲会