[昭和三六年]

昭和三六年一月 初冬抄(六首/五首無数の耳)
 手口の似たることなど言ひ合へど人垣くづれ雨となる辻
 
昭和三六年三月 冬夜抄(五首/無数の耳)
 
昭和三六年四月 路上抄(六首/無数の耳)
 
昭和三六年九月 田園抄(六首/無数の耳)
 
昭和三六年一一月 新秋抄(六首/四首無数の耳)
 夜の畦を歩む背後は沼尻につなぐ田舟の当たりあふ音
 夜の音を掻き立てて罐に蟹がゐる覆へす如き帰結は無きや