平成元年三月 学校園七首(風の曼陀羅)
平成元年四月 われのひもろぎ二二首(風の曼陀羅)
平成二年一月 永住権五首
今日来れば水のほとりのすかんぽも枯れてみ冬の野となりゐたり
言ひ難き思ひなるべしブラジルに永住権を得し子を持ちて
旧式のサモワールなどありにしが幸ひうすくこの人も老ゆ
砂塵湧くグラウンドながら排球と呼びて九人組みて遊びき
花びらは先を割りゐて冬桜さだかに桜のかたちす
平成二年三月 わが星七首(風の曼陀羅)
平成三年一月 笹ならす雨五首(風の曼陀羅)
平成三年三月 世紀は熟れぬ七首(風の曼陀羅)
平成四年一月 冬も好き二〇首(光たばねて)
平成四年三月 或る日七首(光たばねて)
平成五年一月 世襲の舞五首(光たばねて)
平成五年三月 立春の水七首(光たばねて)
平成五年一一月 家のうちそと二〇首(光たばねて)
平成六年一月 光たばねて五首(光たばねて)