『埼玉文化』

昭和三九年七月二〇日 祭り笛五首(一首/無数の耳)
 酒樽を積みて神輿に供へありいかなる酔ひを神はし給ふ
 金魚など赤く染めたる浴衣着て姉妹らしき幼な子歩む
 道ばたのざくろの花の暑かりし記憶かへりて故郷の祭り
 祭り笛ながるる町に連れだちて何の祈りをわれは捧げむ