師走二十八日までのうた

ひとりゐてうたにこもればにほひなくふりつむ雪に夜は更けわたる
たらちねのみもとに日々はゆたけかりかなしきことは人に語らず
海辺ひそとひる闌くるらし潮音(しほと)遠くさつさ等の聲もきこえずなりぬ
大きなる転換のさ中に戸惑ひて生くるとふ事のけはしさを知る
遠人(をちびと)よ庭べに紅き椿燃え夕ぐれ音もなく雪ふり出でぬ
花甕の青磁の肌にふれてみぬ初春の床に梅活けるとて
潮ざゐをむねにしめつゝ砂山を思ひおぼれて幾つ越えけむ
              2603きさらぎ十日あまり三日