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初期の手作り歌集
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『8 春愁の曲 歌の集』
さつき とをかあまり ついたち シヨパンへの思慕
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やるべなきいとの乱れやあゝシヨパン悲願一途(づ)にあやかれる子に
稍緩綜(ポコ・ロール)韻(ひゞき)もつれてわが日毎ひくそはかなしシヨパンにあらぬか
わが弾けばキイはもつれてア・テンポ今日もむなしくシヨパンに暮れぬ
きほひたつこゝろにあらねアンダンテ夜想の曲はもつれもあらず
淡(あは)き黄(きい)ゆたかに咲ける八重(やへ)薔薇(さうび)かはたれの霧にまぎれて手折りぬ
くらがりにほの/゛\浮きて野いばらは逝くはる風に纖く揺れつゝ
灯もさゝぬ翳の深きにをのゝけるのいばらの花よ夕ぐれ爛けぬ(た)