四月十二日のうた たかまゆのきんだちひとり

髙眉の若き公達(きんだち)ひるひとり出で来まさずや春日の宮居
たをりきし小枝のさくら夕ぐれのかげのふかきにをのゝきゆれぬ
あさつゆにぬれ/\かゞよふはなびらの黄のいろもよし水仙の花園(その)
山吹きの黄なる蕾にことよさすきみが玉づさみづくきのあと
手をとりて止めむ野のはるのみちこの一すぢの絶ゆべく思はず
はずみたつ人等めぐりて春は深むををぐらき部屋にわれと雪やなぎ