海の歌

めざましく寄せくる波かわだつみにまむかひ立てばめまひを覚ゆ
米ヶ崎(よねがさき)こゞしき岩に立ちて吾童(わらべ)のごとし沖の船呼ばふ
おほろかにかもめはゞたく美しさ沖の小島に波は荒れつゝ
米ヶ崎眞日(まひ)髙けれど沖合ははるかに荒れて南風(みなみ)つのりくる
沖荒れて波折(なをり)はるけしますらをの君征きまして幾月経ぬる