雨の日 友の しぬばれて

むねやみて京北山にこもります歌詠む友を思ひ出づる日
教室に美(は)しき笑まひを撒き給ふ友いたづきて幾日か経ぬる
大姉(おほあね)の君病ませば母上のおはさぬ家は翳ふかからむ
学びの業にかまけてあれば訪るゝすべなくせめて文まゐらせむ
病みたまふ友にまゐらす文の末に歌二つ三つ書きそへにけり