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初期の手作り歌集
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『13 むろ咲きの菜種の花の』
辰市村 稲こき奉仕に参加
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脱穀機ほがらとめぐる音やまず美稲(をしね)運びて吾等一途なり
わが身体(みゝ)は疲れ果つれど業(わざ)をへて心ゆたかにみちたりてあり
霜月や試験迫れる静けさを百舌耒鳴くなり日旺のあさ
たえかねて言の葉荒げ語りつるいさかひのあとはわびしかりけり
などてかく怠りますやと下級生を詰りつゝ先づわが泣かれくる
試験迫れば人の立居もあらゝかになりまさる寮のけはひかなしき
うら若き乙女等のみの集ひある寮にだによき事のみはあらぬ