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初期の手作り歌集
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『15 歌集 はるのワルツ』
ゆくはる
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今ははや思ひ出も燃えずたそがれてわがかげ重く地に曳かれゆく
となりには氣狂ひさへをりはるの日もわがゐまはりの落漠として
五月のをはりの日に母より送りもの届きて
珍しきものくさ/゛\あれどゆで玉子むけば
そのすがた殊にもやさしく覚え侍りて
殻割ればまろらかに実のあらはれて泣かまく母を恋ひまつるかも
華やぎてソナタ奏づればわが指の小さきルビーさへきらめくものを
花を飾りピアノ鳴らして生くる吾にむくつけきこゝろ持てといふかも
熱病みてまひるまどろむわがゆめにぎら/\海辺の赤道まつり