野の光

歩み疲れ虚心に立てるれんげ畑風吹きくれば花の波立つ
あらはれしものゝかたちの壊(く)ゆるまでかなたの雲をまもるはあはれ
ベレーかぶり氣どりゆけどもわが影は時々列よりはぐれがちなる
さびさびと雨ふりつゞくぬかるみなれど並みゆく人も多く語らぬ