井手の玉川 行

人に待たれて川ぞひをいそぐ細みちに花山吹は咲きしだれつゝ
すなほに人にしたがひゆくものを山藤はちら/\と道にも樹にもまつはりて咲く
ふさはぬと人は笑へどましろにてむしろさびしき花を吾はめづるなり
 
疲れしほゝに紅を刷かむと向へどもあまりあかるし真晝の鏡は