ひより

美しきためらひの果てに誘なひて少めと出でし野のうすがすみ
ひめし思ひをそと匂はせてうち笑めば少めもあはくほゝそめにけり
またゝけば花と光と映りあひやさしかりけり春の山路の
 
やは風に吹かれつゝ来て佇めばかなたの峯も夕がすみして
山かげゆ少めと別れ夕じめる疎林の中のこみちたどりぬ