耐乏

とぼしければなほ尊しとかへり耒し厨にひくゝ草きざみをり
果つる日のことも夕べは思ひつゝ生きたへんとすとぼしき冬に
生きなやむ人らのけはひしづもりて月照りしみるあはれ夜ふけは
 
                         泰子
さくら花ほとりと散りてわがむねにほのかにかをる春のはぢらひ