奈良のゆめ 北見志保子先生に

わがねがひ今朝はとゞきて山とほき奈良の古みちゆく夢見たり
ひとゝせはさかに住まへど奈良の街のみ寺み佛思はぬ日なき
訪はましと思ふばかりに果たし得ぬ古都へのこがれおろそかならず
ゆめどのゝみ屋根のそらは仰ぐ目にしみて春のつき朝ゆめの空
師のみ声のみちに明るくこだましつゝたどりゆきしがゆめさめにけむ
                         20・1・3