ちぎりして未だいく日も経ぬものをはかなになりぬきみのこゝろは
もえてもえてわがみとこゝろ疲れ果てある朝はまた死を欲(ほ)りしぬ
玉の緒を断ちて悔いなき思ひさへうたがはるゝはあるははかなき
あざむきて吾を曳かれしみ手なるをきみの御手こそ恋ほしかりけれ
わがこゝろにあをきほのほの聖火ありて日中も夜半も燃えゐるものを
煩悩に囚はれし吾と君わらふそのわらひこそ吾を絶えしめ
うとまれてかげる思ひの夜ふけさへ灯とぼしてあれよひとりゐるへや
もえてもえてこの道をわが生き抜かむくらき夜空にきらめく星よ
(二十一・三・十一)