師走病床吟

病みつきてなぬかあまりとなりにけり生きたしと思ふ今日もしきりに
聞きつたへたちまち見まひに来てくるゝをとめいくたり病室あかるき
疼痛をたへてほゝゑむわがほゝのきそよりは紅しと子等は云ふなり
純白の粥装ひくるゝ友の目の今朝はいさゝかきびしかりけり
庭草の濡れひそかなる朝の雨にわが思ひさへうるほひにけり