反歌

きびしかる試練の庭に吾ひとりひそけき思慕をたのしみにしつゝ
何事もなかりし如く知りそめしひととわかれて明日はゆくみを
深き思慕の片鱗も君に示し得ずかへりて後は悔い多からん
窓を明けて仰ぐみそらにせめてこよひまぼろしにだにきみよ見え耒よ
「なかがき」と幾たびか書きてよごしたるけふの日記さへかたみとならむ
かへりゆきてすべなき日々をショパンなどかきならしつゝさみしからんに
何事もなかりし如く時ふればなる日もあらんたへがたけれど