病み妻のうたへる ー七五調

ひとり里居の日もすがら 音もはかなきヴィオロンを
かき鳴らしつゝ病み妻の 歌ふ声こそかなしけれ
 
半ば盲ひしまなかひに 恋しき人の面を浮べ
紘(いと)と思ひともつれては はく吐息こそかなしけれ