その頃2

われからと慰めてゐるわが夜の更けては又も雪の降るらし
楽園はいづこの山にのぼらばか見ゆとのらすや吾をとく君
うちたへて内燃するはたえがたしと君にも母にも語り得なくに
さびしさは契れる人にも語り得ぬ身のほのほ火にくすぶれる時
身をもやす思ひひそかに持ちこたえていつまで待つやひとりゐの夜
慰めを君に得まくは欲りせざれほりせざれども淋しかりけり
さかり来し身にもさみしく思ひたえはかなく母によりゆくならずや