別居 云々

独りねる睡れざりける夜すがらの月の移りの白きかなしみ
ふとさめし夢のかなたを降りてゆく人影のある夜半の静けさ
しろじろと野草の花の咲きつゞる古風なる野を一人帰りき
音もなくこぼるゝ萩の下つゆをくゞりて今朝もつとめにいづる
夕じめに花にも沁みておのゝけばわが胸底にとぼる夜の披