憤り烈しき時のふと見たるつまのひとみのかなしみのかげ    歌と随筆二四・六
愛隣の思ひはげしき極まりに夫は激して吾をなじるか    歌と随筆二四・六
母一人遠国におきて吾と生くる夫はひそかに淋しからずや    歌と随筆二四・六
自己ぎまんに疲れたる日は勉め休みラプソディひねもす叩きつゞけつ
弱き吾が社会を渡るよすがとなす自己ぎまんなりすべあらなくに
ラプソディの炸裂音に身ゆだねて彈けども吾や慰さまなくに
おしのけて人に先んずる勢ひを持たねばならぬと吾も思へど