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大西民子歌稿
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[ら~ろ・わ]
ら
来歴のひとところ誇りて言ふ聞けば働くのみにわれは過ぎにき
落城までいたらし時間はいくばくか全く焔の消えしは何時か
ラケットを高くかざしてスマッシュを決めたる顔のクローズアップ
ラヂオの唄を大きく鳴らしまぎらわす僅か二夜の別れなれども
ラメなどのきらきらしきを着てみたく出づれば落ち葉を誘ふ風吹く
蘭鋳の一尾とめどなくそよぎゐて右の鼓膜を刺激しやまず