目次
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大西民子歌稿
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[ら~ろ・わ]
れ
レーズンを好みてゐたる亡き人のつまむ指先今も目に見ゆ
レストランに中国野菜青々と塩加減よくいためられゐし
レストランのデザートのころ夜に入りて電飾の聖樹いよよかがやく
列島のどのあたりまでのくれなゐかランドサットの映す桜は
レモンひときれ前歯に噛みて出でて耒ぬ今日のわれなら何でも出来る
連絡の電話が一本ありしのみ笑ふことなくひと日暮れたり