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大西民子歌稿
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[ら~ろ・わ]
ろ
ろーそくを立てゝ卑屈にくゞまり居る厨まで響く客と夫の声 ※
蝋の火の静かに二本燃えてゐる霊安室はいづこも同じ
ローランサン見に誘はれて年を経ぬ今朝も行くらむ急行あずさ
六月の末の日の雨降りやまず去年の茅の輪の日も雨なりき
六十万人の人がつどひて見しといふ三万発の海の花火を
露地ものの三ツ葉と言へり根元まで青く短く野生匂はす
ロビン、ロビン英語のはじめに習ひたるスペル思へば優しくなりぬ