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日々の手記/和歌/鄙の秋・春紀行
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日々の手記
一月七日(日)
何事の憂ひとてなし父母の許心ゆるかに騒ぎ暮らせば
余りにも暖かき一日振り見つゝふと又開くなりはひ思ふことあり
夢を見し昨日までの日さめぬれば夢に迷へる愚かしまかや
あゝ吾や何を迷ふか唯一なる望みの光忘れもせぬに
故里の家の軒端の雪の山朝路に立てる吾見下して
夢のごとふるさとの日は短かけれ休みもはや半ばすぎたり
暖き一日を思ひ見つゝふとやがて山々冷き宿を思ふことあり