目次
/
日々の手記/和歌/鄙の秋・春紀行
/
日々の手記
五月十九日(日)
灯を消せど真闇の中に追憶の光・幻胸にせまりく
身も魂もさまよひ疲れくづ折れて目に沁む空の青に夢む日
流れ行く雲影追ひて遙かなる南の里のひたに恋へる日
忘れ得でさめし夢路を追ふ吾やはる野には見し美まし面影
浅ましくもの想ふかなはるの日の夢の御影をひたに恋ひつゞ
夢に見し淡きえにしのかの面を傾く月に描きつるなり