目次
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全短歌(歌集等)
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無数の耳
北国抄
共に来て
石塔の
浪人を
阿武隈の
力抜きて
01187
共に来て仰がむ母も今は亡し曇りに遠き安達太良の山
トモニキテ アオガムハハモ イマハナシ クモリニトオキ アダタラノヤマ
『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.102
【初出】
『形成』 1963.7 雨衣 (10)
01188
石塔の雪を払ひて読む名さへはろけし父母のあらぬふるさと
セキトウノ ユキヲハラヒテ ヨムナサヘ ハロケシフボノ アラヌフルサト
『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.102
【初出】
『形成』 1963.7 雨衣 (11)
01189
浪人をせしといふ父祖撃剣に長けゐしことも語り伝ふる
ロウニンヲ セシトイフフソ ゲツケンニ タケヰシコトモ カタリツタフル
『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.103
【初出】
『形成』 1963.7 雨衣 (12)
01190
阿武隈の水照る見ればこの丘に埋まりたかりし父母かも知れず
アブクマノ ミズテルミレバ コノオカニ ウマリタカリシ フボカモシレズ
『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.103
【初出】
『形成』 1963.7 雨衣 (13)
01191
力抜きて歩みゐしとき雪折れの傷をあらはに立つ榎あり
チカラヌキテ アユミヰシトキ ユキオレノ キズヲアラハニ タツエノキアリ
『無数の耳』(短歌研究社 1966) p.103
【初出】
『形成』 1963.7 雨衣 (14)