目次
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全短歌(歌集等)
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野分の章
反故
今のまに
やみがたく
眠られぬ
たかぶりて
自転車に
03035
今のまに反故の類ひも焼きおかむ身を絞り人を恋ひし日ありき
イマノマニ ホゴノタグヒモ ヤキオカム ミヲシボリヒトヲ コヒシヒアリキ
『野分の章』(牧羊社 1978) p.102
【初出】
『短歌新聞』 1977.1 反故 (1)
03036
やみがたく上半身の映る位置鏡のわれも面痩せて立つ
ヤミガタク ジョウハンシンノ ウツルイチ カガミノワレモ オモヤセテタツ
『野分の章』(牧羊社 1978) p.102
【初出】
『短歌新聞』 1977.1 反故 (2)
03037
眠られぬ夜を明かすとも女にて眉をゑがくといふやさしさよ
ネムラレヌ ヨヲアカストモ オンナニテ マユヲヱガクト イフヤサシサヨ
『野分の章』(牧羊社 1978) p.103
【初出】
『短歌新聞』 1977.1 反故 (3)
03038
たかぶりて一頭ゐたるかの馬も夜霧の底に眠れるころか
タカブリテ イツトウヰタル カノウマモ ヨギリノソコニ ネムレルコロカ
『野分の章』(牧羊社 1978) p.103
【初出】
『短歌新聞』 1977.1 反故 (4)
03039
自転車に行く人の影犬の影犬の啼き声はみんな似てゐる
ジテンシャニ ユクヒトノカゲ イヌノカゲ イヌノナキゴエハ ミンナニテヰル
『野分の章』(牧羊社 1978) p.103
【初出】
『短歌新聞』 1977.1 反故 (5)