目次
/
全短歌(歌集等)
/
風水
交差点
小春日と
誇張して
幾日か
姑と
スクランブル
飴いろの
とがりたる
手を挙げて
わかち持つ
物体の
03466
小春日といふはかかる日千代紙の紫のいろにサフランの咲く
コハルビト イフハカカルヒ チヨガミノ ムラサキノイロニ サフランノサク
『風水』(沖積舎 1986) p.76
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (1)
03467
誇張して言ひ来しことの傷なすをわが手美し家ごもる日は
コチョウシテ イヒコシコトノ キズナスヲ ワガテウツクシ イエゴモルヒハ
『風水』(沖積舎 1986) p.76
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (2)
03468
幾日か炊がず過ぎて包丁の光れるに会ふ夜半の厨に
イクニチカ カシガズスギテ ホウチョウノ ヒカレルニアフ ヨワノクリヤニ
『風水』(沖積舎 1986) p.77
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (3)
03469
姑と呼ぶ人のゐき風に鳴る唐もろこしは丈高かりき
シュウトメト ヨブヒトノヰキ カゼニナル トウモロコシハ タケタカカリキ
『風水』(沖積舎 1986) p.77
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (4)
03470
スクランブル交差点といへり四方よりけだものなして車押し寄す
スクランブル コウサテントイヘリ シホウヨリ ケダモノナシテ クルマオシヨス
『風水』(沖積舎 1986) p.77
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (5)
03471
飴いろのコーヒーシュガー足し入れて既に埋め得ぬ時差の如しも
アメイロノ コーヒーシュガー タシイレテ スデニウメエヌ ジサノゴトシモ
『風水』(沖積舎 1986) p.78
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (6)
03472
とがりたる顔を向けあふ夢のなか果実の山の不意に崩れき
トガリタル カオヲムケアフ ユメノナカ カジツノヤマノ フイニクズレキ
『風水』(沖積舎 1986) p.78
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (7)
03473
手を挙げて停まる車のあることを僥倖とせし若き日も過ぐ
テヲアゲテ トマルクルマノ アルコトヲ ギョウコウトセシ ワカキヒモスグ
『風水』(沖積舎 1986) p.78
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (8)
03474
わかち持つ隠しごとさへはろけきに若草山を燃す日近づく
ワカチモツ カクシゴトサヘ ハロケキニ ワカクサヤマヲ モスヒチカヅク
『風水』(沖積舎 1986) p.79
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (9)
03475
物体の重さとなりて運ばるる日もあらむ身を横たへ眠る
ブッタイノ オモサトナリテ ハコバルル ヒモアラムミヲ ヨコタヘネムル
『風水』(沖積舎 1986) p.79
【初出】
『短歌現代』 1979.1 交差点 (10)