冬の雲


03645
結末のどうあらむともガラス窓いっぱいに詰めておく冬の雲
ケツマツノ ドウアラムトモ ガラスマド イッパイニツメテ オクフユノクモ

『風水』(沖積舎 1986) p.144
【初出】 『短歌公論』 1980.1 冬の雲 (1)


03646
手の上にオブラート一枚そり返り運命のやうな薬もあらむ
テノウエニ オブラートイチマイ ソリカエリ ウンメイノヤウナ クスリモアラム

『風水』(沖積舎 1986) p.144
【初出】 『短歌公論』 1980.1 冬の雲 (2)


03647
真つ黒な卵を一個産みにしが卵も鳥もゆきがた知れぬ
マツクロナ タマゴヲイッコ ウミニシガ タマゴモトリモ ユキガタシレヌ

『風水』(沖積舎 1986) p.145
【初出】 『短歌公論』 1980.1 冬の雲 (3)