目次
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全短歌(歌集等)
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風水
背筋光らせ
わが書ける
さまざまの
構へたる
との曇る
とざされて
かなたなる
菜を漬けて
03694
わが書ける図書館のニュース広報に読みて心の開くもあはれ
ワガカケル トショカンノニュース コウホウニ ヨミテココロノ ヒラクモアハレ
『風水』(沖積舎 1986) p.164
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (6)
03695
さまざまの匂ひ嗅ぎ分けて生きて来しわれかと思ふ蘭を嗅ぎつつ
サマザマノ ニオヒカギワケテ イキテコシ ワレカトオモフ ランヲカギツツ
『風水』(沖積舎 1986) p.164
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (7)
03696
構へたる歩みとなりぬ速力をおとして迫る車のあれば
カマヘタル アユミトナリヌ ソクリョクヲ オトシテセマル クルマノアレバ
『風水』(沖積舎 1986) p.165
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (2)
03697
との曇る空のいづくに月ありて背筋光らせ犬の集まる
トノクモル ソラノイヅクニ ツキアリテ セスジヒカラセ イヌノアツマル
『風水』(沖積舎 1986) p.165
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (3)
03698
とざされて幾日ありけむ目の前の氷を割らば何か出づるや
トザサレテ イクカアリケム メノマエノ コオリヲワラバ ナニカイヅルヤ
『風水』(沖積舎 1986) p.165
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (4)
03699
かなたなる海の入り日にきはだちて大き寝釈迦の如し砂丘は
カナタナル ウミノイリヒニ キハダチテ オオキネシャカノ ゴトシサキュウハ
『風水』(沖積舎 1986) p.166
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (1)
03700
菜を漬けて目分量の塩を打ちゆくにほどよくくぼむこのてのひらは
ナヲツケテ メブンリョウノシオヲ ウチユクニ ホドヨククボム コノテノヒラハ
『風水』(沖積舎 1986) p.166
【初出】
『形成』 1980.3 「無題」 (5)