目次
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全短歌(歌集等)
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風水
重かりし皿
残業を
用のすみ
再びも
一人分と
風落ちて
明日の日を
宴のあと
03760
残業を終へて出で来てゆくりなく七夕の夜の賑はひに会ふ
ザンギョウヲ オヘテイデキテ ユクリナク タナバタノヨノ ニギハヒニアフ
『風水』(沖積舎 1986) p.189
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (1)
03761
用のすみほとりと受話器置きたればなべて終れるごときしづけさ
ヨウノスミ ホトリトジュワキ オキタレバ ナベテオワレル ゴトキシヅケサ
『風水』(沖積舎 1986) p.189
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (2)
03762
再びも三たびも折れて戻り来る生くる限りの意識の回路
フタタビモ ミタビモオレテ モドリクル イクルカギリノ イシキノカイロ
『風水』(沖積舎 1986) p.190
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (3)
03763
一人分といふに慣れつつ珈琲豆を挽く作業など忽ち終る
ヒトリブント イフニナレツツ コーヒーマメヲ ヒクサギョウナド タチマチオワル
『風水』(沖積舎 1986) p.190
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (4)
03764
風落ちて夕日さし来ぬ出でゆかば遠くの山の見えわたりゐむ
カゼオチテ ユウヒサシキヌ イデユカバ トオクノヤマノ ミエワタリヰム
『風水』(沖積舎 1986) p.190
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (5)
03765
明日の日を怖るる要などなくならむ職をひきたるのちを思へば
アスノヒヲ オソルルヨウナド ナクナラム ショクヲヒキタル ノチヲオモヘバ
『風水』(沖積舎 1986) p.191
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (6)
03766
宴のあと幼きわれに重かりし大皿などはいかになりけむ
エンノアト オサナキワレニ オモカリシ オオザラナドハ イカニナリケム
『風水』(沖積舎 1986) p.191
【初出】
『形成』 1980.1 「無題」 (7)