目次
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全短歌(歌集等)
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風水
蝶のゆくへ
庭石に
紫陽花の
ゆらぎつつ
若き日も
はさみ撃ちに
03890
庭石にこころの無しと言ひ切れずひねもす梅雨の雨に打たるる
ニワイシニ ココロノナシト イヒキレズ ヒネモスツユノ アメニウタルル
『風水』(沖積舎 1986) p.243
【初出】
『別冊婦人公論』 1981.7 蝶のゆくへ (1)
03891
紫陽花の茂みをゆらり舞ひ出でし黒の揚羽はいづこまで飛ぶ
アジサイノ シゲミヲユラリ マヒイデシ クロノアゲハハ イヅコマデトブ
『風水』(沖積舎 1986) p.243
【初出】
『別冊婦人公論』 1981.7 蝶のゆくへ (2)
03892
ゆらぎつつしづもりにつつ松の花かそかに天の中枢へ向く
ユラギツツ シヅモリニツツ マツノハナ カソカニテンノ チュウスウヘムク
『風水』(沖積舎 1986) p.244
【初出】
『別冊婦人公論』 1981.7 蝶のゆくへ (3)
03893
若き日も今も苦しむ神ならずけものにもあらぬ魔のものとして
ワカキヒモ イマモクルシム カミナラズ ケモノニモアラヌ マノモノトシテ
『風水』(沖積舎 1986) p.244
【初出】
『別冊婦人公論』 1981.7 蝶のゆくへ (4)
03894
はさみ撃ちに会ふ夢ひしと見て醒めて家をめぐれるまた雨の音
ハサミウチニ アフユメヒシト ミテサメテ イエヲメグレル マタアメノオト
『風水』(沖積舎 1986) p.244
【初出】
『別冊婦人公論』 1981.7 蝶のゆくへ (5)