目次
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全短歌(歌集等)
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印度の果実
三彩の馬
旦夕に
み柩に
先生の
みそなはし
仕へたる
石仏の
声あげて
東京へ
04086
旦夕に迫れりと知るみいのちのとどめもあへず雨降りしきる
タンセキニ セマレリトシル ミイノチノ トドメモアヘズ アメフリシキル
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.106
【初出】
『形成』 1983.7 「無題」 (2)
04087
み柩に黄菊白菊入れまつるこの世の顔を寄せあひにつつ
ミヒツギニ キギクシラギク イレマツル コノヨノカオヲ ヨセアヒニツツ
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.107
【初出】
『形成』 1983.8 「無題」 (2)
04088
先生のいまさずなりて三彩の馬の置き物を見るはさぶしも
センセイノ イマサズナリテ サンサイノ ウマノオキモノヲ ミルハサブシモ
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.107
【初出】
『形成』 1983.8 「無題」 (1)
04089
みそなはしいまさむとふと思はれて橋にかかれる歩度ゆるみたり
ミソナハシ イマサムトフト オモハレテ ハシニカカレル ホドユルミタリ
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.108
【初出】
『形成』 1983.8 「無題」 (3)
04090
仕へたる三十四年ひとたびも叱り給はざりしことも思ほゆ
ツカヘタル サンジュウヨネン ヒトタビモ シカリタマハザリシ コトモオモホユ
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.108
【初出】
『形成』 1983.8 「無題」 (4)
04091
石仏の肩もつめたくおはすらむ八重の桜を散らす雨降る
セキブツノ カタモツメタク オハスラム ヤエノサクラヲ チラスアメフル
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.109
【初出】
『形成』 1983.7 「無題」 (4)
04092
声あげて泣きて醒めしがうつつにも夢にもおはす先生ならず
コエアゲテ ナキテサメシガ ウツツニモ ユメニモオハス センセイナラズ
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.109
【初出】
『形成』 1983.7 「無題」 (5)
04093
東京へ出づる日つづきこの夏は夾竹桃の白も喪の花
トウキョウヘ イヅルヒツヅキ コノナツハ キョウチクトウノ シロモモノハナ
『印度の果実』(短歌新聞社 1986) p.110
【初出】
『形成』 1983.8 「無題」 (5)