騎馬民族


04478
三日目の菊人形の隊列に肩の崩れし武者ひとり
ミッカメノ キクニンギョウノ タイレツニ カタノクズレシ モノノフヒトリ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.136
【初出】 『短歌四季』 1990.3 騎馬民族 (1)


04479
北国と南の国より遠く来て添ひたる若き二人のありき
キタグニト ミナミノクニヨリ トオクキテ ソヒタルワカキ フタリノアリキ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.136
【初出】 『短歌四季』 1990.3 騎馬民族 (2)


04480
若ければ蹄の音も聞こえゐき騎馬民族の説ありしころ
ワカケレバ ヒズメノオトモ キコエヰキ キバミンゾクノ セツアリシコロ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.137
【初出】 『短歌四季』 1990.3 騎馬民族 (3)


04481
みづからの根気を試すほかなくて土器片をつなぎ続けし日あり
ミヅカラノ コンキヲタメス ホカナクテ ドキヘンヲツナギ ツヅケシヒアリ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.137
【初出】 『短歌四季』 1990.3 騎馬民族 (4)


04482
年代論果てしなかりき両耳を立てたる埴の壼をめぐりて
ネンダイロン ハテシナカリキ リョウミミヲ タテタルハニノ ツボヲメグリテ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.137
【初出】 『短歌四季』 1990.3 騎馬民族 (5)


04483
花束が胸に重しと目のさめて何を祝はれゐしとも知れず
ハナタバガ ムネニオモシト メノサメテ ナニヲイワハレ ヰシトモシレズ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.138
【初出】 『短歌四季』 1990.3 騎馬民族 (6)