髪のごとくに


04506
洗ひたる葱の白さにかぶさりて髪のごとくに葉先のみどり
アラヒタル ネギノシロサニ カブサリテ カミノゴトクニ ハサキノミドリ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.148


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仮の世もあと幾とせと思へるに森の見えない町となりゆく
カリノヨモ アトイクトセト オモヘルニ モリノミエナイ マチトナリユク

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.148


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濃淡の墨絵なれどもめらめらと葉を押し立ててガーベラの花
ノウタンノ スミエナレドモ メラメラト ハヲオシタテテ ガーベラノハナ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.149