目次
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全短歌(歌集等)
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風の曼陀羅
春の靴
いつせいに
ころびたる
残れるは
新しき
大小の
04556
いつせいに歩き出しさうに藤いろもまじへて春の靴が飾らる
イツセイニ アルキダシサウニ フジイロモ マジヘテハルノ クツガカザラル
『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.170
【初出】
『短歌新聞』 1991.1 春の靴 (1)
04557
ころびたる幼子もすぐ起きあがり駆けゆく若き父母を呼びつつ
コロビタル オサナゴモスグ オキアガリ カケユクワカキ フボヲヨビツツ
『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.170
【初出】
『短歌新聞』 1991.1 春の靴 (2)
04558
残れるはコスモスの花すすきの穂ばつさりと切る何か欲しき日
ノコレルハ コスモスノハナ ススキノホ バツサリトキル ナニカホシキヒ
『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.171
【初出】 『短歌新聞』 1991.1 春の靴 (3)
04559
新しき女性キャスター胸元にブローチのごとくマイクを点す
アタラシキ ジョセイキャスター ムナモトニ ブローチノゴトク マイクヲトモス
『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.171
【初出】
『短歌新聞』 1991.1 春の靴 (4)
04560
大小の干支のひつじはいつよりかつがひの如くずらして置かる
ダイショウノ エトノヒツジハ イツヨリカ ツガヒノゴトク ズラシテオカル
『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.171
【初出】
『短歌新聞』 1991.1 春の靴 (5)