大き臼


04561
あらたまのきらり氷柱のひとしづく山の後ろはなほ寒からむ
アラタマノ キラリツララノ ヒトシヅク ヤマノウシロハ ナホサムカラム

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.172
【初出】 『埼玉新聞』 1991.1 大き臼 (1)


04562
大き臼売れし手拍子遠巻きの子らにも分かつ幸せはあれ
オオキウス ウレシテビョウシ トオマキノ コラニモワカツ シアワセハアレ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.172
【初出】 『埼玉新聞』 1991.1 大き臼 (2)


04563
賜ひたる干支のひつじはふくらかに白の毛糸の毛を持ちて出づ
タマヒタル エトノヒツジハ フクラカニ シロノケイトノ ケヲモチテイヅ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.173
【初出】 『埼玉新聞』 1991.1 大き臼 (3)


04564
ありのままをゑがかうとせぬ児なりしがいづち行きけむわが金魚らは
アリノママヲ ヱガカウトセヌ コナリシガ イヅチユキケム ワガキンギョラハ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.173
【初出】 『埼玉新聞』 1991.1 大き臼 (4)


04565
初夢はせめて明るく大津絵の藤娘など出でて舞はずや
ハツユメハ セメテアカルク オオツエノ フジムスメナド イデテマハズヤ

『風の曼陀羅』(短歌研究社 1991) p.173
【初出】 『埼玉新聞』 1991.1 大き臼 (5)