世襲の舞


04735
降りしきる紙の雪あえかに乱しつつ世襲の舞をたをやかに舞ふ
フリシキル カミノユキアエカニ ミダシツツ セシュウノマイヲ タヲヤカニマフ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.64
【初出】 『短歌研究』 1993.1 世襲の舞 (1)


04736
何をもて心は証すと問ひつめし人のありけり少女のわれに
ナニヲモテ ココロハアカスト トヒツメシ ヒトノアリケリ ショウジョノワレニ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.65
【初出】 『短歌研究』 1993.1 世襲の舞 (2)


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仏頭の絵はがき今朝も立てかけていづれ手狭なわが机なる
ブツトウノ エハガキケサモ タテカケテ イヅレテゼマナ ワガツクエナル

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.65
【初出】 『短歌研究』 1993.1 世襲の舞 (3)


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桐の実は花のころより遠ざかり中空にあまた鳴りあふ如し
キリノミハ ハナノコロヨリ トオザカリ チュウクウニアマタ ナリアフゴトシ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.66
【初出】 『短歌研究』 1993.1 世襲の舞 (4)


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綿の種子十粒播きしと聞きたれば一粒として萌えたし春は
ワタノシュシ トツブマキシト キキタレバ ヒトツブトシテ モエタシハルハ

『光たばねて』(短歌新聞社 1998) p.66
【初出】 『短歌研究』 1993.1 世襲の舞 (5)